昨日付で記した餅の話。本来は以下のことを話すつもりだった。
実家で餅つきをしていたのはわたしが小学生の高学年くらいまでだったろうか。
杵と臼を所持していた隣家がよそに引越ししていったのと時期を同じくして、
餅つき代行業者が増えてきた関係があったからのようだ。
それまで食していた餅と業者に任せた餅との相違は明らかに質の低下だった。
用意した餅米は従来どおり高品質だったのだが、
出来上がってくる餅は味もそうだが、とくに伸びが悪かった。
餅が大好きだった祖母は「機械でついたのはダメなんかねえ」と言っていたが、
わたしはある疑惑を感じていた。
それぞれの家で用意した餅米別についてくれるわけではないだろう。
混ぜ合わせるかされると質は当然低下する。
それよりも、悪質なものと代えられてしまうかも知れない。
そんなことを子供ながらに思った。
ただ祖母ほどはわたしは餅が好物というほどでもなく、
せいぜい雑煮に切り餅1.2コ入れるくらいで十分で、
正月以外に餅を食べることもほとんどなかった。
餅へのこだわりがそれほどなかったから、その後、実家を離れ、
成人し所帯を持つまで餅には相当、縁遠くなってしまった。
ところが最近、歳をとってから、妻も好きなこともあって
よく餅をおやつがわりに食べることが多くなった。
そして昨日記したように久し振りにつき立ての餅を今回いただくことになる。
それはとても伸びがよく、また胚芽の黄色の粒も混じっており
たいへんおいしかった。
それを食べていたとき、ふと思ったのである。
昔は正月に餅をノドにひっかけて窒息するお年寄りが多く
よくニュースになったものだ。
ここ数年、そんな話をあまり聞かない。それはなぜだろう?
・昔ほど餅はごちそうではなくなり高齢者も食べなくなった
・高齢者の体力(咀嚼能力など)が向上した
こんなことが想定されるが、もしかして・・・。
今回いただいた餅を食べていたとき、
その伸びのよさについノドにひっかかりそうになったことがあった。
嚥下力が若い時より低下しているのだと実感した。
食い意地の張ったわたしなどがあわてて飲み込んだりしようものなら、
ノドを支点にして口腔と食道の左右に餅が伸びたシーソーのようになって、
ほんとに窒息しかねない。
普通の市販の切り餅ではこんなことはなかったなあと思ったとき、
もしかしてと閃いた。
ということは先ほどの件は・・・
・おいしい伸びのある餅が少なくなった
餅つきをする家庭が激減したため、
「ノドに引っかかるほどの良質の餅」が少なくなったのが
窒息事故の減少につながった、と考えることはできないか。
あるいは市販の個包装の切り餅は、
「高齢者の窒息死」防止のためにあえて伸びのない餅に造っているとか。
PL法施行以来、そうした?それはないよね。