Columbus Blog

新発見日記。ただし発見の意味は広義・・・感想・愚痴もときどき・・・

宝島

2007.08.23 Thursday 10:50
書籍は、生きている限り無限に増えていく。(死後の世界は分からないが)
そんな中で、残された生が短くなっている、あるいはほとんどないのかも知れないのに、ここ数日FF-XIIの攻略本などを夜更かしして読んでたりする。

書店に行くと、本来、青少年の時代に嗜んでおくべき「教養」としての小説をいかに読んでいないかを思い知り、人知れず赤面することもある。昔は、いまほど多くは世に出されていなかったにもかかわらずである。

わたしはそれでも娘よりは読んでいるのではないかと思っているが、「趣味は読書です」などという方々にはとうてい及ばない。不朽の名作と言われるものの半数も読んでいないのではないだろうか。たとえば、ジイドの狭き門は辛うじて手にしたが、スタンダールの赤と黒はいまだに読んでいない。英国人に軽蔑されるに違いないがハムレットなどシェイクスピアは皆無である。

そんな思いをもって、書店で、現代はあまり人気のないそれらの本が並んだコーナーを見ていると、スティーヴンソンの「宝島」というのが見つかった。
これも古典の名著と呼ばれているのだが、やはり読んでいないんだなあ。
いまさらとは思ったが、昔の自分が読んだとしたらどう思っただろうかということを想像するのも面白いと思って買ってみた。すると・・・。

宝の島などというと、安穏な現代に毒されたわたしなどは、どうしてもインディジョーンズの映画にあるようなエンターティメント性を想像してしまう。ところが、この小説での宝探しの冒険とは、トリックや魔物との戦いというより海賊とのとくに心理的な戦いなのだった。
現代のRPG的要素はまったくない、というより、人間のあらゆる性質、よきにつけあしきにつけ、様ざまな性癖を持ち合わせた真にユニークな精神をもった海賊のほうが、ほんとうの主人公と呼べる人間ドラマだった。

これは少年がドキドキして読む冒険小説というより、大人いや人間の狡猾さ、浅ましさ、小心、大胆、無謀、暴力性、卑屈、残忍、明朗、快活、したたかさなどなどあらゆる感情面を学ぶためのかっこうの教本なのではないか。

なるほど、子供向けといわれる宝島でさえこうなのだから、昔の文学青年・文学少女というのは早熟になるのは当たり前だな。いまは、現実に存在しないキメラがどうのとか、空とぶアイテムが見つからない、などとファンタジーはあってもいささか幼稚といわれても仕方がない。まして、老域に達しようとするわたしなどいまもって攻略本であるから、情けない話ではある。

しかし、漱石も藤村もパールバックもモーパッサンも、思えばみんな暗いねえ。執拗に悩んでいるなあ。辛い時代だったんだろうなあと、いまがまるで辛くない、バラ色の時代なのだなどと言ってみることにしよう。とてもそうじゃないのだけどね。

(あっ、宝島は暗くはないしそれなりに楽しめたな。なるほどね。人間描写が卓越した作家というべきか。翻訳者も昔のほうが上手だったような気がする。注釈などついていたのをすっかり忘れていた。久し振りに見た。でもあれは、巻末にまとめないでそれぞれのページの下のほうに記してほしいね。読みたいがいちいち後を見るのはめんどくさい。それにしても注釈をしない現代の翻訳者は横着だな)
文学・小説 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |

コメント

tanuponさん〜〜〜
ハチです〜〜〜
わざわざコメント入れてくださって本当に本当に感謝です。
花火、楽しませてもらいました。

ハチは子供の頃から本の虫でしたね〜
宝島も、赤と黒も、シェイクスピアも、夏目漱石も、片っ端から読みましたよ。
でも、あまりに若くして(?)読んだせいか、ほとんど内容を憶えていない。。。(汗)
ただ、おかげで国語の成績は、小中高を通して勉強しなくてもTOPクラスでしたよ。
いずれ読み直したいと思いつつ、今の状態になってしまったので、まぁ、あと数年はおあずけです。
今日は地獄の暑さが弱まってほっとしました。
tanuponさんもお身体に気をつけてくださいね。
またきます〜
| ** IT_DESIGN **(ハチ) | 2007/08/23 11:15 PM |
ハチさん、どうも。
相変わらずのご多忙のようで、まあ室内は冷房が効いているでしょうから熱中症のほうは大丈夫でしょうか。

やはり、ハチさんは文学少女だったんですね。なんとなく分かります。女性とはもともと早熟なのにそれでは・・・と想像してしまいます。男はいつまでも子供です。
| tanupon | 2007/08/24 12:58 PM |
> ここ数日FF-XIIの攻略本などを夜更かしして読んでたりする

ああ〜わかる判る。
攻略本って隅々まで読んじゃよね。
でも読んじゃうと満足してしまい実際にやらないんだよなあ。
タヌさんはどっちの『FF-XII』をやってるの?
オリジナル? 逆輸入?

> 「教養」としての小説をいかに読んでいないか

うう〜いたい痛い。
「教養」はもちろんのこと趣味としている「推理小説」の「古典」さえ読めない。
それはひとえに現在のミステリ作家ががんばってくれているから「古典」に手が回らないのですね。
なんだ、うれしい悲鳴だったのか。

> 国語の成績

ハチさんのように良くはないけど、漢字以外は勉強をしなくてもなんとかなったな。

タヌさん、お久しぶり。
| JOKER | 2007/08/24 10:25 PM |
JOKERさん、ご無沙汰です。
FF-XIIは、むろん初期のものです。JOKERさんがクリアしたもの。わたしは挫折してほっぽらかしてあったのをいまごろやってるわけです。今度はクリアできそうかな。
この直前に、やはり同様に挫折してほっぽらかしてあったDQ8をやっとクリアしました。その勢いで(笑)続けてやってるわけです。

JOKERさんも、読まなければならない本がたくさんありますね。1冊読んでいる間にいったい世界中で何冊の本が出版されていることでしょうか?とても追いつきませんよね。

ということで、外はまだ暑いしFF-XIIの攻略本見ながら・・・という感じです。
| tanupon | 2007/08/25 2:16 PM |
読書・・・あー耳がいたい。(^O^;

映像屋なもんですから活字は苦手です。
| るーく | 2007/08/25 10:31 PM |
るーくさんも読書量の自信は・・・ですか?
昔とちがって映像媒体が飛躍的に伸びましたからそれを極めればよし、ということでいいですよね?
| tanupon | 2007/08/26 5:33 AM |

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